2018年、スウェーデン在住のガラス作家・山野アンダーソン陽子の発案で始まったプロジェクト、山野が作ったガラスの器を18人の画家が静物画に描く「Glass Tableware in Still Life」。古くから身近なガラスという素材を介して、さまざまな文化的背景をもつアーティストたちは、言葉と想像力を通じた対話を経て作品を制作しました。そこから生まれたガラスの器と静物画を、写真家の三部正博が画家のアトリエで撮り下ろし、プロジェクトはアートブックとして結実。
このプロジェクトから派生した展覧会「ガラスの器と静物画 山野アンダーソン陽子と18人の画家」の公式図録。図録のために撮り下ろした出品作品(絵画、ガラス、写真)の図版、全作品リストを収録するほか、山野のインタビュー、各会場のキュレーターによる論考、ガラス史の専門家によるコラムなど充実のテキストで、展覧会の全貌がまとめられています。
宙吹きならではのわずかな歪みが美しいクリアーガラスの食器、それを受け取った画家たちによる親密な絵画、浮遊感をたたえたモノクロームの写真など、三者三様で表現され、それを見る人自身も、「ガラス食器」について無限の思いをめぐらせるような1冊です。
B5変型、並製
P152
編集:柴原聡子
写真:髙橋健治
アートディレクション&デザイン:須山悠里
出版社:ブルーシープ
◎山野アンダーソン陽子
スウェーデンのストックホルムを拠点に活動するガラス作家。日本の大学を卒業後、北欧最古のガラス工場であるコースタ内の学校で吹きガラスの手法を学び、その後スウェーデンの王立美術工芸デザイン大学(Konstfack)にて修士課程を修了。クリアーガラスを探求し、スウェーデン、イギリス、日本などで作品を展開する。
◎展覧会
「ガラスの器と静物画 山野アンダーソン陽子と18人の画家」
2023年11月3日(金)ー2024年1月8日(月)
広島市現代美術館
2024年1月17日(水)ー3月24日(日)
東京オペラシティ アートギャラリー
2024年7月13日(土)ー9月23日(月)
熊本市現代美術館
ほか